まーるく生きて、まーるくしにたい。

一人カラオケ

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では読んで頂きましょう、スベスベまんじゅう人間さんで、タイトルは「一人カラオケ」。

というわけで今回は私の趣味の一つ、一人カラオケについて書いていこうと思う。

もともと私はカラオケ嫌い人間だった。人前で歌うなど、そんな恥ずかしいことを好き好んでやるなんて考えられなかった。歌ウマ人間や美声人間ならまだしも、義務教育で音楽の授業を受けただけの素人が歌う必要なんてどこにある?と。飲みの二次会のお店探しでカラオケの ”カ” の字が出ただけでも「あ、僕帰ります」と即座に言うほどのカラオケ大嫌い人間だったのだ。

人生の中で複数人のカラオケに行ったのは、会社の新人歓迎会と、仕事の打ち上げで取引先の人たちもいる中で断り切れなかった、たった二回だけ。新人歓迎会のときは、新人は一人一曲歌わなければならない空気が作られてしまい、仕方なくイエモンの「楽園」を歌った。たぶん声がほとんど出ていなかったのだろう、会社の先輩が一緒に歌ってくれたのを覚えている。仕事の打ち上げのときは、『お前歌ってないじゃん』と注目される前にブルーハーツの「情熱の薔薇」を歌い、あとは「僕はもう歌ったので、他の方どうぞどうぞ」とひたすら回避し続けた。

歌自体が嫌いなわけではない。ブルーハーツやイエモン、ユーミンや中島みゆき、長渕剛やさだまさし、鬼束ちひろ、椎名林檎、Cocco、奥田民生、そして平沢進。ジャンルを問わず好きな曲を聴いてはいた。彼ら彼女らは特別な人間であり、歌を生業にして成功しているのだから、人前で歌うのは当然である。でも自分は別の種族の人間だ。

そんな私がなぜ一人でカラオケに行くようになったのか。

実はそんな特別な切っ掛けがあったわけではない。人前で歌うのが恥ずかしいのであって、一人で歌うのは嫌いではなかったのだ。皿を洗う時やシャワーを浴びているとき、水音に紛れて小声で歌ったりしていたのだ。気分が乗ったときは長渕剛のものまねをしたりしながら。そのときふと思ったのだ。これ、一人でカラオケに行けば小声でコソコソしなくてもいいんじゃないか、と。

しかし、一人でカラオケ屋に突入するのは勇気がいる。とても怖い。『えっ、一人?』と店員さんや他のお客さんから冷ややかな目で見られるんじゃないか。音痴だと馬鹿にされるんじゃないか。混んでいたら迷惑なんじゃないか。皆に連れられて二回行っただけだから、どういうふうに部屋を選ぶのかとか、曲の入れ方とかよくわからないし。

そうしてしばらく、数か月ほど逡巡していた私は、ハッと思い出したのだ。昔なんかのテレビで「一人カラオケ専門店」なるものを紹介していたことを。ネット検索したらすぐに出てきた。

ひとりカラオケ専門店 ワンカラ

ちょっと遠いが、普通に行ける距離だ。一人カラオケ専門店なのだから、冷ややかな目で見られることも、迷惑に思われることもないだろう。さらに、防音設備の整った個室で、ヘッドホンをつけて歌うシステムなので、音痴な歌が隣に聞こえてしまうこともないだろう。ドリンクバーなので、店員さんが乱入してくることも無さそうだ。さあ、あと必要なのは少しの勇気だけだ!

そうしてしばらく、数か月ほど逡巡していた私は、やっとのことで少しの勇気を絞り出し、ひとりカラオケ専門店 ワンカラ へ突入したのだった。

行ってみたらあっけないもので、親切な店員さんが対応してくれて、「DAMとJOYSOUNDどちらにしますか?」の質問には少々挙動不審になってしまったが「あっ・・・どっちでも・・・」で乗り切った。個室はかなり重い頑丈そうな扉で防音性は高く、やたらと本格的なマイクとミキサーが完備されていた。タッチパネル式のデンモク(曲を予約するためのリモコン)もわかりやすいユーザーインターフェイスになっていて、苦もなく使いこなせた。

最初に歌った曲はなんだったか、たしかブルーハーツの「情熱の薔薇」か、長渕剛の「とんぼ」だったと思う。もう一年以上前なので忘れてしまった。しかし、周りを気にせず大声で歌えた気持ちよさは、よく覚えている。それから数回ワンカラに通った後、距離がもっと近くて室料も安い 歌広場まねきねこ にも一人で行けるまでに成長させて頂きました。でも私が【趣味:一人カラオケ】を公言できるほど成長できたのは、最初の一歩、ワンカラさんがあったおかげです。本当にありがとうございましたっ!!!

そして、勇気が出なくて一人カラオケを躊躇している、昔の私のような人たち、勇気を出して!一人カラオケ、楽しいよ!!

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